僕と平安貴族の五日間
「どうしたのだ?
タケル、顔が青いぞ。」
雪冬は…マキだ!!
マキは、雪冬だけど、
僕の部屋にこいつを連れていくのは正解なのか?
いくらなんでも、僕は男だぞ?
ちなみに一年も彼女はいない。
あ。僕は狼ではないけど、
けど!!
「おい、なに、唸っておるのだ?」
僕はビクッと雪冬を見上げた。
いつの間にか僕は携帯片手にしゃがみこんでいたらしい。
「ぼ、僕は…。」
確かに、体はマキだけど、
こいつは雪冬だ。
…大丈夫。
僕は自分に言い聞かせて、
「今晩は僕の家に泊って。」
と、言いきった。
「おお、かたじけないな。」
ちっともそう思ってないように雪冬は言った。
さすが、リアル殿だ。
きっと、フカフカの布団、
ホカホカのごはんがあたりまえだと思っているだろう。