僕と平安貴族の五日間
古典の秦野教授のゼミをとったのは、
単に彼女が、教授としては若く(29歳)、
京美人だったからだ。
だからこそ、
僕はレポートで失敗したくなかったんだ。
それなのに、
マキといったら…
「ワタシ、いつも、バイトでタケルにお世話になってるから、
レポート、書いてあげるよ。
最近忙しくて、書いてないんでしょ?」
なぁんて、しおらしく言っちゃってるから、
任せたけど、
てか、すんごく、ありがたかったけど、
てか、マキ、頭いいから、
提出する前に確認しなかった僕が悪いかもしれないけど、
なんだよ!!
『めくるめく、貴族たちの性生活』って!!
秦野教授に会わせる顔がないよ!!
どんなB級AVタイトルだよ!!
なんとかエル夫人かよ!!
それは、フランス映画だよ!!
って…
僕はさっきの研究室での
教授とのやりとりを思い返した。