僕と平安貴族の五日間
僕は殿を気遣い、さっさと会計をすませようとした。
そんな時、
また勢いよく襖が開いた。
バッシャーーーーン!!
「何事!!」
殿も僕もびっくりして入口を見ると、
パンチパーマのでっかいおっさんが仁王立ちして立っていた。
こちらを睨んでいる。
金のネックレスが鈍く光る。
金剛力士像みたいだ。
「てめぇ…」
男は地獄の底から響くような…
あれ?
「よくも…っ!!」
あれ、おかしいぞ。
「このままでいいと思うなよ!!」
うん!ものすごくいい声だ。
まるで天使のような…
って、なんで??
こんな姿(だけ)がコワい人に因縁をつけられるなんて!!
僕?殿?
僕はか細い声で天使のような金剛力士像に話しかけてみた。
「あ、あのぅ、
ど、どちら様でしょうか…」
男は僕らのテーブルにドサッと座り込み、
かな切り声を出した。