僕と平安貴族の五日間
「えっと、自分の学籍番号は合ってるわよね?」
秦野教授はおくれ毛を治しながら、
パソコンの画面を見入っている。
「あ、はい。08675ですけど。」
僕は教授の長いまつ毛と厚めの唇を見つめていた。
目は見れない。
「うーん。
問題作だわね。」
教授が首をかしげて言う。
「えぇ!!
僕、そんな変なこと書きました??」
冷や汗があふれる。
マキ、何を書いたんだ!!
すると、教授は妖艶にほほ笑んで言った。
「いい意味での問題作よ。
それに、最近の若い子は
このくらい、オープンでも
“変なこと”じゃないのかもね。」
僕は顔が赤くなっていくのを感じた。
そして、今に至るのだ。
僕はマキがいつも涼んでいる7号館の裏の芝生に向かった。