僕と平安貴族の五日間
芝生の上にマキの細い脚が二本投げ出されている。
僕は怒りをあらわに、ドスドスと足音を立てて近付いた。
でも、芝生なのであまり、意味はなかった。
「マキ!!」
マキは起きない。
僕はさらに怒りが重なる。
「マキってば!!」
しゃがんで、マキの肩をゆさぶった。
「なんでこんなレポート書いたんだよ!!
僕…」
「あぁ!!もう、うるさいのう!!
なんだ、貴様!!
なっ!!吉次ではないか!!」
はぁー?
僕にあんなレポートを押し付けておいて、
なんなんだ、この態度は!!
まるで殿様じゃないか!!
「マキ!!
何言ってんだよ!!
マキのせいで…」
マキは自分の手と足、着ている服を見て叫んだ。
「うわぁ!!
何だ!!これはぁ!!」
マキの声が耳に劈く。
「お、おなごではないかぁ!!」
マキはまた叫んで、頭をかかえて大袈裟にうずくまった。
頭を抱えたいのは、僕だ!!