僕と平安貴族の五日間

 外に出ることを渋る殿をひきずって、


 僕は指定された居酒屋に向かった。


 殿は相変わらずしけた顔をしている。


 それでも美しいのだから、色男はにくい。


「殿!今日は、パーッ!といこうよ!!」


 僕は殿の広い背中をバシ!とぶっ叩いた。


「おーい!タケルー!こっち、こっちー!」


 僕は声のする方を見た。


「よっす!


ちょうど良かったよ、浅岡!」


 浅岡という同じサークルの男に笑顔を向けた。


「いやいや、こっちこそ、男2人できてくれて、


ほんっと、丁度よかったよ!」


 僕はまぬけなカオで、


「へ?オトコ フタリ?」


 と、聞き返した。


 浅岡はへらりと笑って、


「うん。今日はすごいぞー


なんと、マドンナがおいでだ!!」


 えぇぇぇぇぇ!!


 そんなぁぁ!!


 今日は男同士で飲みたい気分なのに(特に殿が)


 そ、それに、マドンナがコンパにくるだなんて…!!
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