僕と平安貴族の五日間
殿、コンパにいざ出陣


 あ…あれは…人間か!!


 女神、いや、天使とも、何とも形容しがたい女性、


 そう、マドンナが座っていた!


 甘栗色のつややかなセミロングは


 ゆるやかにカーブを描いている。


 アーモンド形の目の中にある瞳はキラキラと輝いている。


 長いまつ毛が瞬きするたびに星を瞬かせている。


 小さめのプリっとした唇。


 きめの細かい滑らかそうな肌。


 ほんのり頬はピンク色に…


 なりすぎやしないだろうか。


 おかしい。赤くなってる。


 あまりにも美人だからこんなにも長く描写してしまった。


 しかし、赤いぞ!!


 その原因はこの人。


 殿だ。殿しかあり得ない。


「ほう、今日の宴はおなごもおるのだな。」


 何さ!宴って!


 さっきまで行きたくない・行きたくないって騒いでたくせに。


「みーなさーん。


自己紹介しましょーやーぁ」


 さすがこの男。


 空気をがらりと変える、浅岡。


 僕はもう嫌な予感がプンプンのこの合コン。


 浅岡の展開力に期待するしかない。
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