僕と平安貴族の五日間
「え~っと。」
彼女がぎょろりと目を動かした。
どうやらその赤外線レーザーは
殿に、ロックオンされているようだ。
僕が殿を盗み見ると、
殿は涼しい顔して4人目の女の子の
自己紹介を見つめていた。
お、恐るべし、貴族!
「祖師谷 八重子です」
え?ジャ、ジャイ子?
あの、俺様の妹分の??
「みんなには、ヤエって、呼ばれてます!
運動大好きです!」
ヤエ・・・ちゃん
(僕は怖いのでちゃんをつけさせていただく)
ヤエちゃんはどうやら、スポ科の柔道の選手らしい。
しかも、うちの学校のエースだとか。
そして、ヤエちゃんはその肩書にふさわしい姿をしていた。
こう、なんというか、
ものすごく、強そうなのだ。
ベリーショートの髪をワックスでアレンジして、
ポロシャツが、ラガーシャツのように
見えるのだ。
「ねぇ!」
ヤエちゃんが、
来たばっかりの
カシオレを口に付けながら、
殿に質問する。
「殿くんって、カノジョいるのー?」