僕と平安貴族の五日間
「ねぇ、殿くんって、どこの大学なの?」
「ねー!殿くんってー、なんのバイトしてるのー?」
「殿ぉー!タイプの女の子はー?」
「殿さまぁー!ホッケすきー?」
殿の爆撃質問タイム。
僕は、長沢と石田のほうを見た。
気を悪くしていないかと不安になったからだ。
長沢はなんやかんや、
みさとちゃんや、かなでちゃんを中心にトークを広げているし、
案外楽しそうだ。
今日はまさかの2人お持ち帰りかもしれない。
つまり、質問の爆撃を仕込んでいるのは、
マドンナと、祖師谷 八重子ちゃん、ということになる。
「殿君、ビール苦手なんだぁ。可愛い。」
「殿ぉー、あたし、酔っちゃったぁ」
ちなみに、自分が酔ったことを殿にわざわざお知らせしたのは、
ヤエちゃんである。
僕は、寒気をこらえて、石田君のほうを見た。