僕と平安貴族の五日間
すると、石田君は完全に外気をシャットアウトしてしまっていた。
僕が恐る恐る話しかけてみると、
「オレ、マジ、帰るわ。」
と、3000円をおいて去って行ってしまった。
浅岡のほうも、石田君には軽く手を挙げただけで、
何もしない。
僕は勝手に、少し気まずくなってまた、殿のほうを見た。
「ねー殿様ゲームやろうよー!」
と、ヤエちゃんが応援団みたいなでかい声で言った。
「いいね、やろうか」
と、浅岡がへらりと笑いながら、
みさとちゃんとかなでちゃんに
「ペンある?クジ、一緒つくろうか?」
と、また3人で楽しくやっていた。
?
ヤエちゃん、
殿様ゲームッて言った?
浅岡もつっこまなかったしな・・・。
王様ゲームじゃないのか?
それとも、ここでは殿がすべての決まりなのか?
僕は悶々としながら、
ビールを飲んでいた。