僕と平安貴族の五日間
「殿様 だぁぁぁれだッ!!」
全員で浅岡たちが作った割り箸のクジを引く。
「キャーッ!
あたしが殿ぉぉぉ♪」
や、ヤエちゃんが殿になったのだ。
ヤエちゃん、独裁政権という言葉が似合いすぎる!
僕は殿の割り箸の番号を見た。
4だ。
僕は2。
さて、ヤエちゃん、どうする?
マドンナは微笑みながら、割り箸を持っている。
「う~ん。
2番のヒトがぁ~」
ゲ!!!僕だ!!!
「殿様を~」
僕は死刑執行の判決を聞くような気持ちで
ヤエちゃんを見つめた。
「私を~」
ごくりと唾をのみこむ。
「お姫様だっこ!!!!」
ええええええええッ????????
無理に決まってるじゃないか!!!
どう見ても僕のほうがウェイトは低い!!
ヘビー級、いや、無差別級と
ジュニアの小学生が戦うようなもんじゃないか!!
「2番、だれー?
俺じゃないよー?」
浅岡がへらりと笑って割り箸をあいたグラスに
投げ入れた。
カラン、といい音がした。
僕は、おそるおそる手を上げようとしたとき、
「私だ。」
と、殿が手を挙げた。