僕と平安貴族の五日間

ふかまる謎、近づく真実


 僕たちは授業のある教室に向かった。


「でも、よかったよね、丸くおさまってさ。」


 僕は事なかれ主義の日本代表の23人に選ばれるだろう。


「ああ。唯もあれで負けず嫌いというか、


まぁ、勝気なところがあるから少し懸念があるがな。」


 マキがフフンと鼻をならして言った。


 へぇ、ほんの数分でマドンナの本性をみぬいちゃうなんて


 殿ってすごいや、と僕は正直に感心した。


 僕が授業の準備をしていると、


 殿がおもむろに僕に言った。


「寺に行きたいのだが。」


「寺?なに寺?」


 たしか大学の近くに学業の神を奉った神社があったはずだ。


 でも、神社は神道かー、と僕が考えていると


 マキの顔した殿が眉をよせて


「違う。寺と言ったら三井だろう。」


 と、馬鹿にしたように僕に言った。


 僕はすぐにラップトップを調べてみた。

< 69 / 81 >

この作品をシェア

pagetop