僕と平安貴族の五日間


 外にでてみると、あたりはもう暗い。


 大津駅は僕の想像より、栄えていた。


 きらめくネオンが殿の整った顔を映す。


「あぁ、ここが、琵琶か。


千年後にはえらく変化してしまっていいるのだな。」


 殿があたりを見渡しながら、つぶやいた。


「殿、そっか、平安時代にはこんなのないもんね。」


 そう言って、僕がたまたま見上げた明るい看板は、


 パチンコ屋のもので、「パ」の字の電気が切れていた。


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