僕と平安貴族の五日間
僕らは歩いて駅から園城寺へと向かった。
暗くてよくわからないが、想像より荘厳な門構えをしていた。
「殿、わかる?」
園城寺の雰囲気に気おされて、僕は声がちいさくなってしまう。
「ああ、懐かしい、というか、
少し変わりはあるが、まぁ、ここだ。」
殿も少し興奮しているらしい。
平安時代の自分が知っている園城寺を現代で見て共通点をみつけることができたからであろう。
僕らはとりあえず明るく蛍光灯の光が見える建物に向かった。