恋愛パーセント

「あれー…ない!」


机の中にも、鞄の中にも、
教室の何処にもない。


忘れたはずなんかない。
だって、楽しみにしてたもん!
昨日の夜から準備してた。


「…仕方ない、か。」


先生に言えば、きっと何か
貸してくれるはずだしね。

泣きそうになりながらも、
調理室へすごすごと戻る。


「…これじゃねぇの?」


聞き覚えのある声。
聞きたかった、声。


久し振りすぎて。
本当に涙が出そうで。


なのに―…


顔を見るのが怖くって。
どうしたら良いか、って。
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