嫌いになるまで傍にいて


「ここ、出ない?」


突然の言葉。


「え……?」


「なんかさ、つまんねぇし。出よ?」


てっきり湯川くんは楽しんでるものだと思ってたあたしは意外な言葉に驚いた。


「…いーよ」


なぜかあたしもそう答えていた。






「う…寒ぃ…」


外は雪が降っていてすっかり冷え切っていた。


「湯川くん薄着だから」


「こんなに降るって思わなかったんだもん」


だもん…って(笑)



あたしは首に巻いていたマフラーを外して湯川くんに差し出す。


「ほら、貸したげる」


「………いいよ(笑)
そしたら椎名が寒いじゃん」


「あたしは寒いのも好きだから」


そう言っても湯川くんは首を左右に振るばかり。










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