嫌いになるまで傍にいて
「でっけー家」
キョロキョロと見回す姿がおかしくて、思わず笑ってしまった。
あたし…
何してんだろう。
親がいない間に男の子連れ込んで。
あたしは自分の意外な行動に驚いていた。
ソファに向き合う形で座っていたあたし達は、
深夜のニュース番組が流れるテレビをただ無言で見詰めていた。
「なぁ…
………寒い」
「え?もっと温度上げる?」
「…………」
「湯川くん?」
もしかして風邪でも引いたのかな……
少し心配になって、部屋の温度を上げようと立ち上がった。
湯川くんの横を通ろうとしたその時、
突然手首を掴まれた。
「湯川くん…?」
「椎名が暖めてよ」
そのままグイッと引き寄せられ
あたし達は
キスをした。