嫌いになるまで傍にいて



「優しく…する…」


そう言ってまたあたしにキスを落とす。


なぜか怖さは全く感じなくて、あたしは湯川くんの背中に手をまわした。



「………っつ」


やっぱり痛くないなんて有り得なくて。



少し

涙が流れた。


「…っ痛い……?」


「だい…じょ…ぶ…」


だけどそれは痛みからじゃなくて。


自分でもどうしてなのか解らなかった。



解るのは


湯川くんの温もりだけ。



あたしはまた


キュッと目をつぶった………












< 15 / 81 >

この作品をシェア

pagetop