嫌いになるまで傍にいて


その…後。


あたし達は

何の約束もないまま別れた。



お互いに最初から解ってた事。



あたし達の間には何も存在しない。


ただ…暖め合っただけ。


そう。


それだけ。




何も知らない。


湯川くんもあたしの事は何も知らない。


………聞かない。


それでいい。



湯川くんは慣れてるみたいだったし…


「痛…っ」


初めての経験が
今日、初めてまともに話した人…なんて

あたしは馬鹿なのかもしれない。



だけど


“後悔”と言う文字は一つも浮かんで来なかった。





湯川くんと抱き合ってる間、


確かにあたしは


幸せを感じられたから。











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