嫌いになるまで傍にいて


どこへ行くとは決めてなかった俺達は


とりあえず、他愛のない話をしながら椎名の家方面へ歩いていた。


家に着いたら…

この手も離さなきゃならない。


それがなんだか淋しかった。



それは寒さからなのか…


それとも……



この微かな温もりが離れるのは


嫌だった。



「やっぱ寒ぃな…」


ポツリと呟いたその時は


もう椎名の家の前で。




この時間は終わりだと


告げられた気がした。















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