嫌いになるまで傍にいて


俺の左手には


椎名の右手。



それがものすごく嬉しいなんて


椎名は気付いてる?



子供みたいな事で


すぐ上機嫌な俺は



きっと馬鹿なんだろう。



でも、それがいい。




「…ねぇ。あたしの名前知ってる?」


突然、椎名が話の内容とまったく関係ない事を言ってきた。


「は…?
何、突然?」


「知ってるかって聞いてんの!」


「当たり前じゃん。
どした?」



「もーいい…」


結局黙り込んでしまった。


名前……?


歩だろ?


何をいまさら………



あ!?



もしかして………









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