嫌いになるまで傍にいて


「……椎名サン?」


「え……?」


相変わらず隅っこに座っていたあたしに声をかけてきた人がいた。



「久しぶり。
…覚えてない?
ほら、中学一年の時同じクラスだった湯川 弘樹!」


中一の時………?


「あ。湯川くん?」


ほとんど話した事はなかったけど…

あたしの事なんて覚えてたんだ。



てゆーか

あんまり中学の頃の事覚えてないんだよね…


それくらいあたしは無気力少女だったから(笑)

あ、今もか。


「お〜い?」


「あ…ごめん」


しまった。
完全にトリップしてた。













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