ペットはご機嫌ななめ

ペットの事情 ２

「あの…じゃあ、ペットの仕事って、何をするんですか？」首を傾げるあたしに、お姉さんがゆったりと応える。
「あなたはそのままで、飼い主と暮らせばいいのよ。当然、飼い主はペットに干渉してくるでしょうけど、いつでも従順でいる必要はないの。ペットを躾るのも、飼い主の楽しみなんだから。強いて言えば、ペットがリラックスすることで、飼い主を癒やしてあげることかしらね」要するに…一つ屋根の下で、一緒に暮らせばいいってこと？それだけでいいなら…できる、かな？
なんとなく迷っているあたしに、お姉さんがトドメをさす。「誰にでもできる仕事だけど、誰でもペットになれるわけじゃないの。ペットとしての恵まれた容姿を持っている子にしか、できないのよ。あなたは、この道1年の私が選んだんだから自信を持って」「はぁ…」
曖昧に頷きながら、この道と言うなら、普通、10年とか20年とかじゃないのか？って、ツッコミそうになる。
この道1年のお姉さんに自信を持てと言われても、あんまり説得力がないって言うか…。
「あなたの天職よ！やるわよね？」
だんだん強引に迫ってくるお姉さんの言葉に、思わず頷いてしまったのは…。
何としても、就職したかったから。