春桜
朝の時間は過ぎるのが、めちゃくちゃ早い。
なんだかんだで8時。
いそがないと。
アイツが…
『ピンポーン』
家のチャイムがなる。
「みなみー!
こうちゃん来てるわよ。はやくしなさーい」
そんな大声出さなくてもわかってますって…
「もぅ行く!ってば!」
チーンチーン
「行ってきます。お父さん。」
仏壇にある写真に向かって私はいった。
「お母さん!いってきまーす」
勢いよく開ける。
「おせーよ!なんで5分前行動ができないかね。
いつまでたってもかわんねぇー
奴だな。ったく。」
朝の日差しとともに
玄関前で待っていた奴が言う。
高橋 光輝
みんなに「こう」と呼ばれる
向かいの家に住む私の幼なじみ。
5歳のころからもぅずっと一緒
腐れ縁ってやつ?
「ぅっさいなぁ、こう。
別にいいでしょ、高校初日、新たな出会いの予感…
っとかホントはひたってたい気分なんだからね!」
自然とブスッとふくれる。
「キモ。だから彼氏できねーんだぜ?お前。」
こうは容赦ない。
私の痛いところばかりついてくる
「ぅっっざぁ!
こうだっていないくせに!」