tone
あたしは急いで李亜にmailしてここに来てもらう事にした。


mailを送り終わった後に奏ちゃんは頭を下げ、


「……ごめんね、嫌な思いさせただろ?」

と聞いてきた。

「……ちょっと頭がズキズキしただけ。

後は何もないから気にしないで。」


「……もしかして、何か思い出した訳?」

「そう言う訳でもない。」

実際瞳にはモザイクがかかってはっきりは見えなかったから。

声ははっきり思い出したけど。

「……ねぇ、奏ちゃん。」

「何?」


















「あたしの歌声は……売り物じゃないからね?」


さっき言った言葉が気になってしょうがなかった。

奏ちゃんはそんな事は言わないのは解ってるつもり。

でももしもそう想われてたら?

それが不安でしょうがなかった。

奏ちゃんはびっくりした目付きになって、


「………その言葉を思い出したの?」


あたしの記憶に降れてきた。

“思い出した”?


「……言われた事があるの?」

そんな絶望に近い言葉を?

外ではみんなが忙しく歩き回ってる間、


あたしと奏ちゃんの間は止まったまま。


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