tone
………何か妄想が膨らんできたよ??


最初はシリアスな話だったのに、

何がスイッチになったのかすごくみんなに笑顔が灯り始めた。

………これがいい。


「………大好きだよ。」

「ん??歌音、何か言った??」

「何にもないよ??」

「怪しいな……白状しなさいっ!!」

「ちょっ……くすぐったいから!!」


そんな調子で、今日の会議は終わってしまった。



×××××××××××××
「歌音ちゃん、」


「何~??奏ちゃん。」


「いいの??


辛い記憶が戻っても。」


ピタッ


………奏ちゃんは優しいね。

第一にあたしの事を考えてくれて、行動してくれる。

今日だってそうだよね??


「………大橋さんに会う事を黙ってたのは、あたしを傷つけない為だったんだよね??」



「………歌音ちゃんに、出来る限りの苦しい記憶は思い出さないでほしい。」


「そんなにあたしって悲しい思い出しかないの??」


小さい頃から家族と離ればなれで、


いつか、もしの為にお嬢様であったあたし。


幼なじみの家だからって、確かに気は抜けなかったよね。


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