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「で、奏矢と政略的に婚約した訳か??」


「それは違うっ!!」

違う、違う絶対違う!!

「あたしと奏ちゃんはちゃんと自分達が決断して決めた。

親が勝手に決めた訳じゃありません!!」



「でも生まれた時から二人が婚約者なのは決まってた。


小さい頃から一緒にいれば、何らかの愛は生まれるだろ。


これって政略的って言わないか??」



………確かにそうかも。


あたしを音崎家に預けたのは、

ただ未来の詩月家に相応しい者を作る為だけじゃなくて、



あたしと奏ちゃんを好きにならせる為??


奏ちゃんはあたしを音崎の為に好きになったの??


………違う、違うよ。













パリンッ!!


《何で!!何であたしなの!?》

《落ち着いて、歌音ちゃん!!》

《どうしてあたしには家族がいないの!?


あたし響架みたいに普通に家族といたかったのに!!


どうしてあたしだけ仲間外れなの……!?》

《僕がいる。

母さんや父さんや僕がいるじゃないか。》


《違うの!!


会いたい、写真だけじゃなくて本物の家族に………。


……どうせ奏ちゃんだって音崎の為にあたしといるんでしょ!!》


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