tone

だってな、

ずっと演坂さんが大好きだった元太なら、


｢もういいよ。

俺は全て許す。

今の仕業が李亜からだとしても。｣

そうやって、人の事を思いやれる。

お前のそう言う所、好きだった。

｢……条件は??｣

｢は??｣

｢……元太、無駄に優しすぎるから……

だから、条件とか……あるんだろ……??｣

息苦しさで、途切れ途切れで言葉を紡いでいく。

でもどうにか元太には伝わったみたいで






















｢………李亜を、一生守り抜け。｣
分かってた言葉を、もう一度分からせるように言われた。

｢元太、何言ってんの??｣

震える声で、怯えるように訪ね直す演坂さん。


一端、そこにちらついてる本心を引っ張り出したいかもね。

なんて冗談行ってる暇ない。

｢………元太は……歌音ちゃんを……守るの??｣

一番心配はそこだよ。

僕が歌音ちゃんを守ってたかって言ったら、周りは認めてくれないかもしれない。

でも……それでも、

｢…………俺は守らない。

歌音がそれを望まないから。｣


……やっぱりこのまま演坂さんを守りきる事は出来ないや。