tone
『あなたと同じ状況であたしの娘がいなくなったの。名前は詩月歌音(シヅキ ウタネ)。2年前の8月7日に行方不明になってるの。』









うそ………









あたしがいなくなった日と同じだ。









『……だったら、だったら何であの後すぐに探さなかったんですか?』









娘がいなくなったらすぐに探すはずなのに何で!?









『…………お祖父様が見つけて来たから……。』









『は………?!』









『お祖父様が見つけて来たのよ!!歌音を!!
だけどお祖父様は失意のあまり、孤児院から歌音にそっくりな子を取ってきただけ、と聞いたから今までずっと捜し続けてきた。』









歌架さんはその場で泣き崩れた。









裕佳梨はただ、ジーっと見つめていた。









そしてあたしは………








その場に立ち崩れた。








『歌音!!』









『カノン』とあたしを呼ぶ裕佳梨。









だけどそれは本当のあたしじゃないんだ。









そう思いながらあたしは静かに意識を手放した。
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