tone
『おやめなさい!!!!』




慌ててお母様が美唄歌さんを止める。




『何でこんな小娘にあたしの幸せを取り上げられるの!?
やっての思いで手に入れた温もり。
あたしはずっと探し求めていたのに………
何であたしだけ不幸な目に合わなきゃいけないの!?』



美唄歌さんは必死に叫んだ。



あたしにも分かっていた。



家族の温もりを探していた。



例えそれが儚き夢だったとしても。



いつかはきっと。



だから………



『………お祖父様、お願いがあります。』



『歌…音?』



『美唄歌さんを、養子に取ってください。』



『何じゃと!?』




『確かにあたしは自分が本当の詩月 歌音だと信じています。でも美唄歌さんの気持ちだって分かるんです。




だから、あたしの姉妹として接してください。』




美唄歌さんは、驚きの眼差しをあたしに見せた。



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