tone

豪雨

……………………………
『そう言えば歌音はまだ、歌が好き?』


『大好きだよ。



だって歌には不思議な力があるもん♪』


昔から頭に残ってる言葉。


あたしはいつもこの言葉を信じてきたから。

すると奏ちゃんは驚いた顔をし、


再び後ろからギュッと抱き締められた。


『そ、奏ちゃん!?』


『嬉しい。


まさか歌音があんな昔に言った言葉を覚えてたなんて。』


『え?

あれ、奏ちゃんが行ったの?』


『う~ん……。


言ったというか二人で考えた?』


『へぇ~……。』


頭の中に言葉だけは残ってたけど、思い出までは思い出せなかった。


まだ、色んな事を忘れてる………。


心は思い出したいのに、頭が言う事を聞いてくれない。


何かない?

あたしと奏ちゃんの大切な思い出………。


思い出そうとすると、ズキズキ頭が痛み始めた。


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