tone
奏ちゃんは完全にこの人て抱き締め合ってた。


しかも相手はかなりの美人さん。


奏ちゃん……。


あたしとの約束を忘れるほど、


その人が好きなの?



あたしは信じたのに……。


『どうして?


何で約束、守らなかったの?』



あたしは掠れた声で聞いた。


『そんなの言ったって!!


歌音こそ約束を忘れて………。』


その瞬間、奏ちゃんの体が固まった。



視線はあたしの姿。


『歌音……まさか。』

『そうだよ。

あたしはずっと待ってたよ?


雨が降っても、奏ちゃんはそんな簡単に約束を破らないからって、


信じてたのに……。』


憎らしい。


奏ちゃんとこの人が。


雨の中、濡れながら待ってたあたしは何なの?


『奏ちゃんなんか、大っ嫌い。』


あたしはそう言い残して走った。


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