tone
『ぇ……はい。』


と言いながらも相手は見知らぬ人。


黒い髪に毛先だけくるんとなった2つ結び。

色は少しばかりか黒いが、

肌本来はみずみずしい。


綺麗。


そんな印象の子だった。


しばらくあたしが彼女を見つめてると、



『………演坂さん、歌音に何の用?』


奏ちゃんが目の前に現れた。


『奏……ちゃん。』


『奏矢君、

これはあたしと歌音の問題なの。

例え幼なじみであるあなたに邪魔される権利はないわ。』


うっわ~……


凄い理論的だな。


でも、



どっかで見た事が……。



『ねぇ、彼女は?』


念のため、傍にいた人に聞いてみた。


『あぁ。

彼女は演坂 李亜(エンザカ リア)。

ビアの教室で有名なヤ〇ハの社長の娘。


音楽はもちろん、運動以外は全てperfect!!

クラスの委員長も努める言わばエリート。

あんまり人間関係は良くないみたいで、

よく暗いから何か近寄りがたいのよね~……。』


『へぇ~………。』


勿体ないな。


あんなに可愛いのに。

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