tone
出た先の階段で彼女の足は止まった。


『演坂さん?』



『李亜でいいわ。


………昔からそう呼んでたから。』


『昔……から。』


『あなたは覚えてないかもしれない。


あたし達、心友だったの。


大人しいあたしに、明るいあなたは絡んでくれた。


他の友達なんていっぱいにいたのにね。


だから詳しい事情は知ってるわ。


その上であたしはあなたに勝負を申し込むわ。』



『勝負……?』


『そう。これは、









“YAYOI”から“HAZUKI”への挑戦状よ。』



『え………?


まさかあなたが…!!』


『そう。あたしはtoneのキーボード・YAYOIよ。』



“YAYOI”

toneのキーボードであり、HAZUKIと共にデュエットするくらいボーカリストとしても才能がある。


まさか演坂さん……いや李亜が……。


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