tone
『驚いたでしょ?


だってtoneのみんなと関係者しか知らないもの。』


『まぁ……。』


驚いたっちゃ驚いたけど。


『でも奏矢君以外はあなたを認めてないわ。』



『それは承知の上よ。

だってあたしは記憶をなくしてる。


それで認めようなんてあたしも無理だわ。』


『なら話は早いわ。



だったら条件を言うわ。



あたしが一番気に入ってる曲を当てたらあなたの勝ちよ。』



『李亜が好きな曲?』


『ええ。あなたが本当の詩月 歌音だったら分かるはずなの。』



『………分かった。』


『いいの?


今のあなたには記憶が……。』


『記憶なんて関係ない。


あなたが求めてるのはあたしの想いでしょ?』


きっと違う。


あなたは記憶を求めてる訳じゃない。


記憶にはない、あたしの想い。


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