tone
『歌音は自分の将来の夢が何だったか分かる?』


『う~ん……。


やっぱ歌手じゃなかったのかな?

記憶は失っても、歌は大好きだったのには変わりなかったから。』


『うん。


歌音の言う通り、昔の歌音の夢は歌手だったよ。


でもそれは叶えられない夢でもあったんだ。』


『叶えられない……夢?』


そんな……


『その頃の詩月財閥は、昔並みに経済力を高めていき、俺の音崎グループと対等になっていった。


その上でもう歌音はもう音崎家に居候する理由はない。

一刻も早く詩月の方へ返せと君のお祖父様から怒りの言葉が返ってきた。』


『あのお祖父様が…!?』


『最も、歌音には甘甘だったけど。』


と奏ちゃんは苦笑いを浮かべた。


信じられない。

あたしは昨日のお祖父様の姿を浮かべた。

やっぱりあの優しそうなお祖父様が怒りを表すなんて信じられなかった。


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