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『でも………


歌音が詩月家に帰ると言う事は、歌手と言う夢を諦めなきゃいけなかった。』


『どうして?


家族は一緒にいる物でしょ?

なら尚更帰らなきゃ………。』









『君は詩月家の長女。
今の財産の後継者でもある。

そしたら必然的に君は財閥を継がなくてはならない。

それだったら歌手なんて職業は出来ないだろ?』


『……財閥を継いでいても歌手をやるなんて無理なの?』


『確かに、君は2つの仕事を同時にこなす事も出来たと思うよ。

でもね?当時の歌音は知ってたんだ。

財閥を継ぐと言う事がどれだけ大変な事か。
経済力・判断力・責任感・精神力……

その頃の歌音は自分がまだまだ勉強しなきゃいけないと思ってたんだ。

その頃の僕もそう思ってた。』


『…………。』


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