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早く記憶を戻したい。

その時、初めて強く思ってた。

友達の信頼も厚く、何事も完璧にこなし、家庭にも財産にも恵まれてて幸せなプリンセスだったあたし。


しかし記憶を失った事で何もかも失ったあたしは何もするすべがなく、ただ孤独に日々を過ごしてた。


その時間がどれだけ無駄であったか、


今更、何故記憶が消えたのかを思い出したかった。


“嫌……”


イ……ヤ………?


“あたしはまだやらなきゃいけない事があるの!!


あなたに構っている暇などない!!”


“なら言う事を聞かせるようにしてやる。”

“ちょイヤァ!!!!!”


『………ヤメテ……。』


『歌音………?


歌音!?』









『………純……!?』


“ね、今度の作詞は二人でしようよ!!”

“確かにイメージにぴったりだな。


お前らいつもいるから、『双子』って感じがする。”


“ならやろうよ李亜!!

あたしなら最高の友情歌になるよ!!”

“うん!!あ、題名はいいのがあるんだ!!


あのね、題名は………。”









双子………


いつも一緒にいようね。


そんな願いが込められた友情歌。


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