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その後の事は、あまり覚えてない。



ただ気がつけば保健室のベッドの上だった。




「・・・・ここ・・。」



「保健室だよ。」


「!!?・・・奏ちゃん・・。」


「全く・・・歌音はどこまで俺を心配させればいいんだろうね。」


と深く溜息をつきながらも、顔は安心した表情の奏ちゃん。



「・・・ごめん、何か急に記憶を思い出しちゃって。」



「何の記憶!?


もしかして歌音に危害を加えた奴が・・・?」


「そこまでは分かんなかった。


だけど山の中で言い争う声が頭の中に流れた。」



「山の中って事は・・・


歌音が崖から落ちる前の会話・・・!?」



そしてあたしは今さっき流れた声をそのまま言った。


「・・・・あと、何故かあたしジュンって言ったんだよね・・・。」



「ジュンって・・・!?」


「あ、ジュンって言うのはあたしの孤児院のクラスメートで
‘神無月 準゛って言うの。」



すると奏ちゃんは不思議そうな顔をしながら、

「神無月 準?


まさかジュンが・・・!?」


「ん?


どうしたの、奏ちゃん?」


「イや、何でもないよ。


それより後、思い出した事はある?』


『そう言えば、李亜と奏ちゃんの声が聞こえた。』


『それはいつ?』


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