tone
……………………………
『奏ちゃん、どう?』


『うん。十分シングルで出せるよ。


ドラマの方の許可は取ったの?』


『もちろん!!

めっちゃ喜んでらしいよ!!

大体、李亜の作曲がスゴ過ぎ!

今度から奏ちゃんの代わりに出来るんじゃない?』

『そんな……。


音崎君みたいに色んなジャンルは無理だよ。

それにあたし、
歌音の歌詞と、
音崎君の作曲が合わさって、
初めてこの曲が
“tone”らしくなると思うの。』

『さっすが演坂さん。

歌音と違っていい事言うね~!!』

『ちょっと奏ちゃん!!

その言葉超心外なんですけど!!』

『こらこら!!

喧嘩すんなって!!』

『『元太(ゲンタ)は黙れ!!』』


『は~い……。』

『あはは!!』

『……でも李亜。』

『ん?』

『あたしは、

この曲が今まで一番李亜がキラキラしてる曲だと思う。

きっと李亜の愛が詰まってんだね。』

『うん!!


だってあたしこの曲が








“大好きだから”』

李亜はそう言った。


その顔はこの前の泣きそうな顔じゃなくて


愛で溢せそうなくらいの

キラキラした笑顔だった。


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