tone
……………………………
『………ごめんな、歌音。』

『……?』

通学途中の車の中。

奏ちゃんはあたしに深々と謝ってきた。

『だって俺があんな事したから……。』

『違うよ、あたしがいけないの。』

あたしが思い出したから。

自分の中に閉じ込めた記憶を開けたから。

『だからゴメンね?』

突き飛ばしたりして。

ホントはあのまま幸せに浸りたかった。

奏ちゃんと触れ合って、幸せを感じたかったのに……

あたしが壊してしまった。


すると奏ちゃんはあたしの頭をかき混ぜ、

『じゃあお詫びのキス★』

『えっ!?………んフッ』

甘いキスをお見舞いされた。

今度こそは、本物のキスで、

甘くて、酸っぱい

魔法の薬みたいに幸せになれるキス。


優しく、だけどたまに激しい。

そんな奏ちゃんが、









本当に好きなんだ。


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