tone
『あたしも………。』

今が幸せ。

奏ちゃんがいるから。
奏ちゃん、

奏ちゃん、

何度呼んだって好きだよ。

大好きだよ。

『……何で、泣いてんの?』

え……?

気づけばまた、あたしは泣く。

不安そうにあたしを見つめる奏ちゃん。

そんな奏ちゃんにあたしは言った。




『幸せ過ぎるからだよ。』

笑顔で。

本当にあの頃、孤児院で過ごした事が嘘みたいに思えてくる。

あんまり今と生活は変わってないのに、

奏ちゃんがいないだけで、

多分あたしは涙を流す生活しか送れなくなるから。


今のあたしには、奏ちゃんが不可欠。

心からそう思った。


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