tone
だから嫌だった。

奏ちゃんを失う事が。

歌音ちゃんには関係ないって言われてもいい。

でもそれよりあたしは、









信じたかっただけ。

たった1人“李亜"を。

ずっと、

ずっと信じてきたつもりだったから。


こんなあたしにも、

愛せる友達が出来たんだよって、

ずっと思ってきたから。

だからあたしは、


歌い続けられた。


李亜が居なきゃ、

toneは完成しないよ?

一音の間違いさえ許されない、


あたし達はそんな世界にいた。

多分、今日の事でtoneは………。

だから置き土産に送るわ。









今のあたしのmelodyを。


それからあたしは書き続けた。


いつもと違うテンポで、


少しずつ、奏で始めたの。

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