tone
『それに美唄歌さんは詩月と言う家が欲しい訳じゃない。』



『……どう言う意味?』


あたしが最初に美唄歌さんに会った時、



美唄歌さんは家を取られる事より、











『奏ちゃんでしょ?』

好きな人を失うキモチ。

『………だから何?』

『だったら正々堂々と勝負しようよ。』

『そんなの無理じゃない!!』

『そんな簡単に諦めきれる想いじゃないでしょ!?』

じゃなきゃあんな涙流せないから。

相手を想う涙だからこそ、

心から溢れてくるだから。


『……あたしは、あの時記憶を失った。

それはきっとあたし達に対する課題だから。


『あたしは記憶の鍵を探して詩月 歌音を取り戻す。


きっとそれには奏ちゃんの愛が必要だからあたしはあそこにいるの。』



記憶は頭に刻まれる物だけじゃない。


心にだって、傷痕が残ってるでしょ?









『……あたしは、逃げない。』


誰があたしの鍵を奪ったのか、


それを知る。

そして、









『………toneは解散させない。』


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