間違い電話 ~もう一つのお話~
「あのね、怒らないで聞いて?」


美優は語りだした。




間違い電話をして来た彼。


いつも優しく話してくれる彼。


趣味もすごく合う彼。


でも、顔も名前も何も知らない。


知っているのは「マサル」って事だけ。




俺は驚いた。


美優はユウさんじゃなくマサルを好きだったのか。


でも、マサルは俺なんだぞ?美優。


それを知ったらお前どうなる?


幻滅するか?


俺の事嫌いになるか?




俺は覚悟を決めた。




「お前・・・そいつの顔知らないんだろ?」


「そうなんだけど・・・。」


「そいつに逢ってみろよ。」


「えっ?何言って・・・。」


「電話、今してみろよ・・・。」


「どうしたの?優一?」


「早くしてみろって!」








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