年下がダメな理由
内容は・・・。

潤也は、小さな紙切れを私に渡した。

*契約書*
1.一緒に同居すること。ただし、部屋は別々。
2.夕飯は一緒に食べること。忙しい時以外。
3.家事は分担制。一方に負担を与えない。
4.掃除・洗濯各自。リビングは二人で、持ち回りにする。
5.その他、必要に応じて発生する場合がある。雇い主の希望に応じて。

って・・・。

一緒に住むの?
そんなこと。ありえない・・・。

恋人役なんだから、当たり前でしょ?って。
平然な顔してるけど。

仕方ない・・・。


ますます、落ち込むよ。
3ヶ月の我慢だ・・・。


言っておきたいことがあるの?
なんだろ?しかも、少し微笑んでいる。


「くれぐれも、本気にならないでくださいね。ボク困りますから。」


困るって・・・。
それって。おばさんってことでしょ。

『はいはい。年下には興味ないよ。あんたも、おばさんには、興味ないでしょうから。ご安心を・・・。』

でも・・・潤也。
大きな瞳。
見開いて、キョットーン。


あれ?状況の飲み込めてない?
私、変な事言った?


そんなに、びっくりしなくても・・・。
黙ってられると、それは、それで心痛いし・・・。
軽~く流してくれれば、ありがたいんですけど・・・。

<そうそう。おばさんには興味ないよ。>
とか、そんなんでいいのよ。


潤也。深刻そうに、少し考えてから口を開いた。


「いや。違うんだ。ごめん。」


へ????

謝られちゃったよ。なんで、謝るの?


『実は・・・。女性には、興味ないんです。だから、安心してください。』

少し、話にくそうな表情。
それもそのはずだ。
女性に興味ないって・・・。

はぁ?
まじ。
マジマジ。

そんな、美形で、背丈があって、親切で。
ホントに罪だね。
女の子に興味ないなんて。

ましてや、口角を上げた、ニッコリ笑顔。
だけで、女はイチコロだよ。

男が好きだなんて・・・。

ってことは、私の方が注意しろってことね。

はいはい。
分かってますよ。
手は出しません。

誓います。

私は、心の中で右手をあげた。













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