年下がダメな理由
結局・・・。
何も聞けずに食事は終わった・・・。

自分の小心さに情けなくなった。
二人は、仲良く席を立った。

私は、その二人の後を追った。
出入り口付近で、ウェイターの男性が近寄ってきた。

『潤也さん。大奥様がお呼びでございますので、顔を出すようにと仰せになられてます。』

ニッコリと微笑む潤也・・・。

「了解。ありがとう。島藤さん。」

何。

何。

何。

どういうこと?

潤也は一人店の奥に入っていった。

残されたのは、私とカルロ。

仕方なく二人で店を出た。
わからない・・・。
複雑な表情をしている私を横目に、カルロは笑い出した。

『なんで、笑うのよ!』

って、いくらなんでも不愉快よ。そんなに、笑われると。

「葉子って、ホントに顔に出るんだな。複雑な表情してるよ。」

言われてみれば、眉間に皺寄せてるかも・・・。
カルロは言葉を続けた。

「潤也って、ここの経営者の息子だよ。っていうか、今まで良く通っていたお店ほとんど、潤也の母親の経営する系列だよ。だから、プリンスだね。おぼちゃま?」

経営者の息子?だって、このお店高級レストランだよ。
ありえない・・・。

『まじで・・・。』

これ以上言葉が出なかった。

潤也が戻ってきた。

「ごめん。ごめん。かあさんに捕まっちゃってさ。」

軽やかに車に乗り込んだ。
それに続いて、私たちも車に乗った。
運転はカルロ。

いつものパターン。

じゃあ・・・。
カルロは何者???
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