年下がダメな理由
ホント、最近忙しそうな潤也。
毎日、すれ違い生活。


先週は全く、会ってないし・・・。
今日の朝、顔色が悪かったのが、少し心配だ。

《まぁ、いいっか。》

日曜日には、夕飯を3人で食べる予定だし。


朝刊に目を通した。

《今日は、水曜日か・・・。》

仕事に、頭を切り替えた。

朝から、山積みの仕事をこなしていく。
月末の締め日、請求書の作成。
来月の営業会議資料作り。
今月は、余り売上が期待できない。
不景気で少しづつ下降気味だ。
会議では、上司からの、叱咤が浴びせられる・・・。

朝から・・・。
ため息が出る・・・。
仕方ないわよね・・・。

これが。
言わずと知れた。
中間管理職だわ・・・。

そんなことを思いながら。
明日の、新聞各紙に載る原稿に目を通した。
どうやら、問題無いようね。

向かいのデスクの佳子がこちらに顔を向けた。

「葉子さん。新聞社の谷さんからお電話です。」

私は手を上げ答えた。いつも、おちゃらけている谷俊也。
仕事上の付き合いが、結構長い。でも、仕事上の友人の一人。

『はーい。了解。』

『もしもし、お電話代わりました。俊也?』

「おっ、葉子。ひさしぶり。今回の、掲載間違いないよな?さっき、faxしたんだけどさ。いいの?」

『え?見てないけど・・・。ちょっと待って・・・。』

あわてて自分のデスクを見回した・・・。
書類の山からこぼれ落ちる一枚のfax用紙・・・。
見た途端、言っている意味が理解できた。

『何これ・・・。最悪じゃん・・・。』

キャッチコピーが、違う・・・。

「葉子。あと、残念なお知らせがもう一つ。もう、時間アウト変更無理なんよ。
だから、クライアントに詫びの電話入れといてね。じゃね。」

≪ガチャ。ツー・ツー・ツー≫

あっと言う間に電話を切られた。受話器から聞こえてくる、空しい音・・・。





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