年下がダメな理由
こんな時に限って・・・。
嫌な広告を目にしてしまう。

自分の席にあるパソコンに向かって、ネットを見ていた。

一応ネット広告の確認のため。

ちょうど画面右端に、縁結びの為のネット広告が流れている。
女性が男性と、ニッコリ微笑み合って、幸せですって感じ。

結婚ね・・・。

・・・。

ため息が出た。

今一番私がキライな言葉・・・。



その時・・・。
遠くの方から、高谷部長の声がした。


そうだ。今日は珍しく高谷部長の付き添いで出かけることになっている。


「そろそろ、出かけるぞ。」

高谷部長は、さり気なく小奇麗な格好をしている。

『はい。分かりました。』

私もスーツの裾を下に引っ張り、皺を伸ばした。


だってさ。

今夜、クライアントの店舗リニューアル記念パーティーに呼ばれている。

超ビップな、お得意様。

クライアント様様です。


だだ、この年齢で良かったと思うことは、優先的に出席できることだ。

年功序列に。

感謝。感謝。感謝。







< 4 / 87 >

この作品をシェア

pagetop