年下がダメな理由
翌日、仕事も早々に切り上げた。
昨日から、ずっと潤也は仕事を休んでいる。
カルロの不在だと、室内が大変な事になる。

食事を作るたびに、散乱する野菜・・・。
洗わない食器・・・。
散らかしたままの、リビング・・・。

片付けられない人間が、一人・・・。
今日も、家にいるはずだ。
・・・。

腕時計は午後6時を指している。
よしっ。
帰ろっと。




会社を出ると、後ろから声がした。

「葉子。ちょっと待って。」

振り返ると、明が立っていた。なに?

『どうしたの?なんか、仕事問題有り?ってかんじ。』

首を横に振っている。

「いや。」

何?

何?深刻そうな顔しちゃって。
いつもの、ひょうきんな明はどこへ行ちゃったのかしら?

『???』

急に、明が私の体を抱きしめた。
どうしちゃったのよ?急に。
彼の鼓動は、とても早く、波を打っているようだ。

私の鼓動も、それに伴って早くなった。

《ドゥクン・・・。ドゥクン・・・。》

「葉子が風邪で休みだって聞いて、心配だった。電話も繋がらないし。家にも居なかったし。どこに行ってたんだよ。」

抱きついたまま離れてくれない。待って・・・。
これじゃ、心臓がまずいよ・・・。
勘弁して・・・・。


『えっ。あ、あのね。風邪、ひどく無かったから、スーパーに買い物行って、居なかったのかな?ごめん心配させちゃった?』

なんだか、シドロモドロになってしまう・・・。

「俺やっと気付いたんだ。葉子が、風邪で休んでいるだけで、気になって気になって仕方なかった・・・・・。ずっと、好きだったんだ。前からずっと・・・・・。」

嘘!

嘘でしょ!そんなこと、これっぽちも感じてなかったよ・・・。

明は自分の体から放して、私の目をじっと見つめた。

「付き合ってくれないか。もちろん、結婚を前提にだ。返事はすぐとは言わない。考えといてほしい。」

呆然と立ちすくむ私。

マジで・・・・。

『・・・・・。』

それだけ、私に伝える終えると帰ってしまった。

どうしょ?
こういう時・・・。
どうしたらいいの???

だれか、教えてください・・・。
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